定年後再雇用 賃金44%減

パーソル総合研究所によると定年後再雇用の60歳以降の賃金が年収ベースで、定年前と再雇用後では全体平均で44.3%減少しているそうです。その再雇用者の半数は、業務内容が定年前と殆ど変わっていないそうです。

 

昨年の10月に名古屋自動車学校事件の名古屋地裁での裁判の判決がありましたが、自動車学校の教官の人が定年前と定年後と同じ仕事内容で定年前の賃金の6割以下に下がり、裁判所は6割以下への下がり幅は、同じ仕事内容であるのであれば違法(不合理である)と原告が勝利した判決がありました。上告するのでは思いますが、そうでなければ会社はその一定額の差額を払うことになります。このケースは定年前月収16-18万円だった人が7-8万円になったわけで、それほど金額が高くないケースでした。もしそれが即ち年収500万円だった人や、1000万円だった人が6割を切っていたらどうだったのかは分かりません。金額の絶対額によって生活可能の額なのか等、他にも考慮される要素が出てくるからです。また、裁判官の人たちは会社の経営状態も見て判断することにもなるし、裁判官の人たちは賃金コンサルタントでもなく、旧有期雇用労働法20条や、短時間・有期雇用労働法8,9条も基に判断されることになるからです。確かに言えるのは、賃金の合理性を判断されるのに、当然基本給だけでなく、その他の手当関係を個別に取り出し不合理的と言えるのか、不合理とは言えないのかを判断されると考えます。ですので、一律的に6割以上なら合理性が有るか無いかでなく、個別具体的に、他の要素も複合的に鑑みて、判断されるので、例えば労使関係がよくないとか、ただ単に慣習がどうであるとか負の部分があれば ,早めに解決し労使で納得のいく金額の提示をする必要があると考えます。

 

同一労働同一賃金の基となる法律、短時間・有期雇用労働法違反であると労働者側が考えれば、法律違反と訴えることができるようになりました。何故なら、この法律でより一層明確に、根拠規定ができたからであり、定年後再雇用の方も65歳までの有期労働者と言えるので、この短時間・有期雇用労働法が適用されると考えられるからです。訴訟にならないように企業側にその賃金差を合理的に説明ができるように準備をする必要があると考えます。